間取りプランニングの基礎知識と希望を上手く伝えるコツ
家づくりで大事なステップのひとつが間取りのプランニングです。間取り図面は、プロの目線で住む人の希望を形にしてもらえます。図面を見ることで、さらに家づくりへの実感が沸くのではないでしょうか。
ただ、間取り図面を見ると、アルファベットや初めて見聞きする言葉に戸惑うことがあるかもしれません。図面をスムーズに見られるように、間取りプランニングの基礎ポイントをまとめていきます。
間取り図面でよく見かける略語の意味を知ろう
まずは、間取り図面で見かける機会の多いアルファベットの略語について、意味をおさらいしてみましょう。
LDK
「LDK」は、リビングとダイニング、キッチンが一体化した空間です。
「3LDK」や「4LDK」というように、前についている数字は部屋数。3LDKなら、「部屋が3つ、リビングとつながったダイニングキッチンが1つ」という意味です。
DK
DKはダイニングキッチンのことでキッチンと食事スペースが一緒になっている空間です。リビングとは別になっているものを指します。
CL、WIC
CLはクローゼット、“W”がついたWICはウォークインクローゼットのことです。人が歩けるほどのスペースで、衣類以外にも布団などの大型の荷物を収納することもできます。
S、N、DEN
Sはサービスルーム、Nは納戸、DENは書斎です。これらの空間は、1~2帖程度の小さなスペースのことが多いです。建築基準法による高さや窓、換気の基準をクリアしていないため、居室とは言えませんが、多目的に使うことができる便利なスペースです。
扉の種類や向きもチェック
間取り図面からは、扉の種類や開閉時の扉の向きも読み取れます。
扉が開いた形になっていれば「開き戸」、閉じた形になっていれば「引き戸」です。開き戸の場合、開けた向きによって荷物を置けない部分が出てしまいます。
引き戸は、片側だけ開けるようにすれば、一方は荷物を置くことが可能です。スペース上、引き戸の設置が難しくて開き戸になるケースもあります。
間取りを考えるときに意識するポイント
間取づくりでは、家族が集まるリビングにこだわりたいという人は多いです。家のなかでも中心的な場所で、長い時間を過ごすことになります。意識するポイントをいくつか紹介します。
リビングの窓の向き、大きさ、日当たり
リビングの窓は、隣家の窓の向きや周囲との関係なども考慮に入れましょう。大きな窓は、日当たりがよくなり部屋が明るくなる特徴があります。
しかし、「隣の家から見える」「通行人の視線が気になる」となってしまうと、なかなかカーテンを開けられなくなることも。窓の位置がなかなか変えられない場合は、目隠しフェンスを設置したりなどの工夫が必要かもしれません。
また、窓の数や配置によって、風通しも変わってきます。風の通り道がよくなるような配置になれば、空気の入れ替えもしやすく、家が快適になります。
希望する点をいくつか書き出していき、施工会社とよく相談するといいでしょう。
LDKの魅力
キッチンと一体化したLDKは、近年人気の間取りです。
夫婦共働きなどで一緒の空間で過ごす時間を大事に考える家族も多いでしょう。キッチンとリビングが同じ空間にあれば、調理中も家族と一緒の空間で過ごせます。
言葉を交わしてコミュニケーションを深められる点はもちろんですが、お互いの気配を感じられる点も大きな魅力です。それぞれが違ったことをしていても、家族の存在感を大事にできる間取りと言えるでしょう。
間取りへの希望を上手く伝えるコツ
施工会社の家づくりのプロ達が希望を図面にしてくれます。でも、希望を上手く伝えられずに、図面ができたときに「イメージと違う」とならないようにしたいものですよね。
家族の要望を上手く伝えるコツとは何でしょうか。
まずは家族でじっくり相談
家族それぞれの希望をじっくり話し合い、紙に書きだしてみることをおすすめします。
「リビングの様子を見ながら家事をしたい」「広い空間でくつろぎたい」という希望なら、対面式キッチンで間仕切りが少ないLDKがぴったりかもしれません。
要望が多すぎて、なかには意見が分かれる部分もあるでしょう。優先順位をつけながら、妥協点も見出していくことが大事です。
また、「こういうのはちょっと…」という採用したくないポイントも書き出しておけば、施工会社に伝わりやすくなります。
具体的なイメージを伝える
「明るい空間がいい」というざっくりとしたものよりも、具体的なイメージを伝えましょう。
「大きな窓をつけたい」「テラスに出入りできるようにしたい」「白い壁紙がいい」「部屋はナチュラルな素材がいい」など詳しく伝えると、より理想に近づけるでしょう。書き出した紙だけでなく、参考にできる写真を見せるのもおすすめです。
住宅雑誌などを見ていると、家づくりのヒントにできるイメージ写真も多いです。まったく同じにはできないかもしれませんが、プロの目線で似た雰囲気の間取りをプランニングしてもらえるでしょう。