ひと昔前は、日本の家と言えば、1階だけの平屋が多く見られました。そのため、平屋と言えば、おじいちゃんやおばあちゃんが住むような古風なイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、現在では、そんな昔ながらのイメージを払拭するほどオシャレな平屋も現在では増えています。かつては高齢向けと思われていましたが、今ではあらゆる世代の暮らし方にもマッチするとあって、世代問わず人気です。
注目されている「平屋」の魅力に迫っていきます。
階段がなくフラットな暮らし
平屋と2階建ての大きな違いは「階段の有無」。
その「階段がない」という平屋の大きな特徴が、魅力に感じられています。
年齢を重ねると、筋力が低下により足腰は弱まるものです。階段の移動がない平屋の暮らしは、シニア世代の事故の防止に繋がります。バリアフリーを見据えた世代の家探しでも注目されるケースが多いです。
足腰に不安のない若い人は、階段があっても、特に不便に思わないでしょう。ただ、若い世代でも階段につまずくリスクもありますし、昇り降りが面倒だと感じる人もいます。安全面を考えた場合、階段がない点は魅力的に感じるでしょう。
もちろん、子ども目線で考えたときも、階段がないことで家庭内事故のリスクをおさえることもできます。2階建てで子育てをすると、「階段へ登らないように」と何らかの工夫が必要ですが、平屋ならその心配はありません。
平屋は高齢者だけでなく、若い世代や子どものいるファミリー層にも優しい住まいです。
コンパクトな間取りでスムーズな生活動線
平屋に住めば「ワンフロアで暮らせる」というのも魅力となります。
2階がないため、「1階から2階」「2階から1階」という動線がなくなります。2階の部屋の掃除のために掃除機を持って階段をあがることもありません。もちろん、「階段」そのものの掃除もいらないのもメリットと言えるでしょう。荷物の移動に関しても、階段を使わずに同じフロアだけで完結します。
敷地によっては、平屋は2階建てと比べてコンパクトな間取りになりがちかもしれません。しかし、そのコンパクトさがまた魅力。生活動線や家事動線の短縮につながり、時間の余裕ができるかもしれませんね。
コミュニケーションが深まる
家族間のコミュニケーションも深まります。
間取りによって一概には言えませんが、2階建ての場合、玄関から見える階段を上がれば、リビングを通らずに2階へ行けることもあるでしょう。「いつ外出したか分からない」というケース、逆に「いつ帰宅したのか…」というケースもあるかもしれません。
平屋の場合は、プライベートルームとなる寝室や子ども部屋、そして共有スペースとなるリビングや浴室などがひとつのフロアに。階段で仕切られている感覚がなくなり、顔を合わせる回数が増えます。誰かの存在を感じやすい間取りとなるので、コミュニケーションが深まりやすいでしょう。
家族の気配を感じやすい家全体がまとまる間取りづくりもできます。
災害にも強い
平屋は、災害にも強い家です。
建物は、高さがあるほどに重心が高くなります。1階で上の階を支える2階建ての場合、災害が起きたときに建物が揺れやすくなります。平屋は重心が低いため、揺れを感じづらいでしょう。地震や台風という災害でも、建物に影響が受けづらいという魅力があります。
メンテナンスもしやすい
建物全体に高さがないので、平屋はメンテナンスがしやすい特徴があります。
2階建ての場合、外壁や屋根の修繕には高所作業をともないます。複雑な構造になれば、工事期間が長くなったりすることもあるでしょう。
平屋の場合は、高所作業がない分、メンテナンス作業もしやすいです。工事期間の短縮はもちろん、2階建てと比べると費用をおさえることができます。
将来的にも活用しやすい
平屋は、将来的なことを見据えたときにも魅力を感じやすいでしょう。購入時にはあまり考えないかもしれませんが、家族が減ったときにも対応しやすいのが平屋です。
今は賑やかなファミリー層も、いつかは「子どもが巣立って部屋が余る」という状況になるかもしれません。家族が減れば、当然ながら使わない部屋も出てしまいます。
そんなとき、2階建ての場合、階段がネックとなり、2階にある空き部屋に自然と足が遠のいてしまうことも。空き部屋にするのはもったいないと考える反面、階段があることから使わずにいるケースもあるでしょう。
しかし、空き部屋があっても部屋や階段の掃除は必要でしょう。「有効活用できていない」と考えている人も多いかもしれません。平屋なら、子どもが使わなくなった部屋も、階段の昇り降りをしなくても使うことができます。書斎や趣味の部屋など、たくさんの使い道が広がりそうです。
家族が減った後でも、空き部屋にすることなく、有効的に使えるでしょう。購入時には将来的なことはあまり考えないかもしれませんが、おのずと安心感にもつながっています。
もちろん「夫婦2人で暮らしたい」という層からも人気があります。
