ログハウスとはどんな住まい?木造住宅と違う点やその歴史
ログハウスと聞いたとき、どんなイメージを持つでしょうか?
「森林に佇む別荘」や「山で見かける小屋」、「外国の森林にある家」などというイメージを抱く人もいるかもしれません。どこか欧米風の印象があるログハウスですが、最近では日本でも居住用の住まいとして注目されています。
ログハウスはどんな建物なのか、そして魅力ポイントについて説明していきます。
また、「木」から建てる意味では木造住宅と似ていますが、違う点についても何が違うか見ていきましょう。
古い歴史を持つログハウス
ログハウスは、世界各国で長い年月を経て親しまれている家です。主に北欧や北米でよく見られることが多いでしょう。
森林豊かな地域で発達したログハウス
木材をふんだんに使用しているログハウスは、森林資源が豊かな国で長い歴史を持つ建物です。北欧系や北米系のログハウスが代表的に知られていますが、地域ごとに特徴が違います。
・北欧のログハウス
北欧のなかでも、特にログハウスが発達しているのが、森林の多い国として知られているフィンランド。林業が発達しているフィンランドでは、ログハウス文化が長いです。機械で丸太を組み上げやすく加工していくマシンカットログハウスの発祥地もフィンランドです。
・北米のログハウス
北米は森林資源も豊富です。1700年頃には移民による開拓でログハウスが建てられるようになり発達しました。北米に近いカナダにログハウスが広まったのは、それより後のことです。
開拓が盛んだった時代には、「伐採した木材を組み立てて家ができる」「少ない工具で家が建つ」とあって、ログハウスは注目される建築物でした。しかし、その後には、普及も減少していきました。
ただ、現在では「壮大な自然のなかに佇む自然の生活」ができるとして、ログハウスの良さが再評価されています。
発祥地や発祥時期は不明確…
それぞれの地域で長い歴史があるログハウスですが、「どこが発祥か」「どの時期がログハウスの歴史の始まりか」などについては、不明確な部分が多いです。
はっきりとしたルーツは分からないものの、現在でも世界中のあちこちで見られる建築物。森林に恵まれた地域の人々にとって、暮らしを支える素晴らしい住居だったと言えそうですね。
日本でもログハウスは古くからある
ログハウスは、どこかオシャレで海外のイメージが強いですよね。異国情緒あふれる建物ですが、実は日本でもログハウスは昔から存在しているのです。
正倉院の校倉造りも、実はログハウスと言われています。
「正倉院」という和の印象が強い建物がログハウスと聞くと違和感があるかもしれませんが、伐採した木材を組み合わせていく構造はログハウスのひとつと言えるでしょう。
また、日本では「ログハウス」と言いますが、これは“丸太”を表す「ログ」を用いた和製英語です。英語では「ログキャビン」や「ログホーム」と言います。
ほかの木造住宅との違うポイント
日本の住まいと言えば木造建築が多いですが、ログハウスとは何が違うのでしょうか。
「木」を使う点では共通点がある「ログハウス」と「木造住宅」。しかし、いろいろな点で違いが多いです。違いについて見ていきましょう。
ログハウスと木造住宅の違いは「構造」
ログハウスと木造住宅は、構造が異なります。
ログハウスの場合、伐採したままの木材の形状を活かし、丸太を組み上げて壁を構成していきます。
木造住宅は、木を伐採した後に加工をして建築します。木造住宅の構造は主に2パターンあり、筋交いや梁、柱で構成される「木造軸組工法」、壁のパネルを組んでいく「木造枠組壁工法」が主な構造です。
ログハウスとカントリーハウス…何が違う?
ログハウスと同じような建物に、カントリーハウスを挙げる方も多いかもしれません。カントリーハウスには、貴族の宮殿や田舎にある民家など、多岐にわたる定義があります。
ただ、家づくりのときの「カントリーハウス」と言うと、ちょっと違います。カントリーハウスは、ログハウスのように木をたくさん取り入れた家でありながら、構造は木造建築で主流の在来工法です。見た目はカントリー調の可愛らしさもありつつ、間取りにも自由度があるのが特徴と言えるでしょう。
ログハウスはどんな構造なのか
前述したように一般的な木造住宅を「木造軸組工法」や「木造枠組壁工法」と呼ぶのに対し、ログハウスは「丸太組構法」と呼んでいます。
ログハウスの構造のベースとなるのが「丸太(ログ)」です。
木材を上に向かって積んでいきながら、ログ材とログ材が交わる部分に加工を施します。積み重ねていくうえで、丸太の交差部分を崩れ落ちないようにしていきます。さらに、ボルトでしっかりと固定し、丸太だけで建物を支える頑丈さがあります。