家づくりでおさえておきたい木造建築の“工法”とは

家づくりでおさえておきたい木造建築の“工法”とは

家づくりでおさえておきたい木造建築の“工法”とは

古い時代から、日本では「木」を材料とした木造の家が主流でした。木造建築は、日本を代表する建築ですが、実はその工法にはいくつかの種類があります。

家づくりのために情報収集していると、「工法」という言葉を耳にする機会も増えます。外観では分からない「工法」かもしれませんが、家を建てるうえで大切なものです。

工法だけでなく、木造建築の特徴について知っておくと、「家」に対する愛着も沸くことでしょう。

木造建築の良さ、そして日本で見られる木造建築の工法について説明していきます。

木造建築の魅力点

日本で古い時代から受け継がれていた木造建築。日本では代表的な建築方法ですよね。歴史が深い木造建築には、たくさんの魅力があります。

調湿効果や断熱効果による快適な家の実現

木造建築の魅力は、「木」という素材が持つ、調湿効果と断熱効果です。木材そのものが、水分を吸ったり出したりすることで、空気中の湿度をコントロールしてくれるのです。

湿度が高ければ木が水分を吸収、乾燥しがちな時期には木の水分を出すというように、調湿効果があります。

とても快適な空間で過ごせる家となるでしょう。

季節に応じて過ごしやすい空間になる

木は熱伝導率が低めなので、外の熱い空気は室内に伝わりづらく、夏も過ごしやすいでしょう。また、部屋の暖かい空気を外に逃がしづらいので、冬も快適です。

地盤への負担が少ない

コンクリートや鉄骨など重量がある材料と比べて、木材の重量は軽めです。地盤への負担が少ないのも魅力のひとつでしょう。

リラックス効果を持つ木材

そして、住む人の精神面にもプラスに働きます。

木材に含まれる成分には、リラックス効果があるものも。「木」という自然素材に包まれた暮らしは、気持ちをリラックスさせるとも言われています。鉄骨やコンクリートのひんやりした感覚とは違い、自然の素材の温かみに包まれて安心感をもたらしてくれそうです。

リフォームしやすい素材

鉄骨やコンクリートがリフォームしづらいのに対し、木造の場合は設計上可能なかぎり増改築への対応がしやすいでしょう。

工法とはそもそも何?

大きな意味で考えると、木造建築は「木を材料にして家を建てる」ということです。

ただ、家の躯体となる部分の「建て方」「組み立て方」に違いがあり、それを工法と言います。

工法の種類にはいくつかある

木造建築の工法にはいくつかの種類がありますが、主なものが「木造軸組工法」と「ツーバイフォー工法」と言われるものです。

家づくりをしていくなかで、打ち合わせの最中にも登場するかもしれないワード。それぞれの特徴をおさえておきましょう。

木造軸組工法

木造軸組工法は、日本に古くから伝わるもので、伝統的工法と言えるでしょう。昔から受け継がれつつ、今でも住宅現場で数多く採用されている工法です。

木造軸組工法は、縦向きの柱に横向きの梁という「柱+梁」を軸とし、さらに斜めに「筋交い」という補強材をプラスしていき家を建てていきます。

建物の重みを受け止める縦軸と横軸、地震などの揺れを抵抗する斜め軸というように、斜めの補強材が強度を増し、「縦横斜め」の線で家全体を支えています。在来工法とも言われています。

この工法の特徴は、ドアや窓といった開口部を広めに取れることです。「大きい窓をつけたい」「開放的な広い空間を作りたい」という希望も叶えやすく、間取りの自由度が高い工法と言えるでしょう。

また、将来的な増改築にも対応しやすいという特徴もあります。

柱や梁という線で家を支えているので、壁を取り外してのリフォームなども可能です。柱を移動して補強したりと、状況に応じて増改築もしやすいでしょう。

ツーバイフォー工法

ツーバイフォー工法は、「2×4工法」と書きます。耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

日本の家づくりでもメジャーな工法ですが、そもそもは北米生まれの建築工法です。

サイズ「2インチ×4インチ」の角材と木製のパネルを使い、「壁」「天井」「床」という面で家を建てます。段ボールなどの箱をイメージすると分かりやすいでしょう。

日本では、ツーバイフォー工法という通称でお馴染みですが、建築現場における法律上の正式な呼称は「木造枠組壁工法」です。木造軸組工法が“線”で家を支えるのに対し、“面”で家を支えるのがツーバイフォー工法です。すでに工場で生産された部材を建築現場で組み立てるため、工期が短いという特徴があります。

また、バランスよく壁を設置していくのがこの方法の特徴のため、壁をたくさん設置する(部屋数を多めにする)ような間取りで採用しやすいでしょう。壁が増えると、耐震性や気密性が高くなります。

ただ、設計上、強度の低下が予想されるため、後から壁を取り外すような改築は難しくなります。建てる時点でも、大きい窓をつけて開口部を広くするのは難しいでしょう。そして、広い空間を作るなど設置する壁のバランスが悪くなるような設計は難しいこともあり、間取りの自由度はあまりありません。